山梨の豊かな自然と食に出会う旅「private outdoor sauna MATKA 」

山梨県笛吹市、石和（いさわ）温泉。
戦国時代の名将、武田信玄公ゆかりの地といわれるこの温泉郷にある宿泊施設「ホテルふじ」に「private outdoor sauna MATKA（マトカ）」（以下、MATKA）がオープンした。

フィンランド語で「旅」を意味するMATKAは「Liekki（リエッキ）」「Tuuli （トゥーリ）」「Metsikkö（メツィッコ）」「Vuori （ヴォリ）」と名付けられた4つのプライベートサウナエリアで構成されている。
すべてのエリアにONE SAUNAのバレルサウナが1台ずつ設置され、笛吹市に拠点を持つYard Worksのデザインと施工によって、ここでしか味わえない贅沢な空間を演出している。

今回、コロナ禍を経てサウナを始めた経緯や、この事業にかける想いをサウナ事業の企画、運営をリードするお二人に話を聞いた。

ホテルふじ
山梨県内最大級の大岩風呂温泉を有する人気の温泉宿。
季節の味を存分に堪能できる総料理長こだわりの創作バイキングや、好みに応じて選べる4つのタイプの客室など、小さいお子様から年配の方まで三世代にわたって楽しめる施設として、旅行客だけでなく、地元の方々にも幅広く親しまれている。
http://www.hotel-fuji.jp/

山梨の豊かな自然を最大限に味わえるのはアウトドアサウナだからこそ

ーまず、MATKAについて教えてください。

（倉林）MATKAは2023年6月にホテルふじの敷地内にオープンした、予約制のプライベートアウトドアサウナ施設です。
コロナ禍で観光業界全体が大きな打撃を受ける中で、温泉リゾートとしての魅力の幅を広げることを目的として、サウナの導入を決めました。

山梨県は、富士山や八ヶ岳といった雄大な富士山麓に囲まれた場所であり、「天然の水がめ」と言われるほど、良質で豊富な水が地下にたくわえられています。

MATKAではこの天然水を水風呂に使用しているのですが、水温が約16度で肌あたりがまろやかとあって、まさに水風呂に最適な資源です。

特にサウナ好きの方に、水道水とはまたちがった天然水の水風呂をぜひ体験してもらいたいですね。

（倉林）水だけでなく、外気浴の時に感じる風や光の当たり方、サウナ周りの植栽から聞こえてくる鳥の声も、ここでしか味わえないアウトドアサウナならではの魅力です。

（野中）山梨県では行政と事業者が一体となって「やまなし自然サウナととのいプロジェクト」を立ち上げて、「サウナ×山梨の自然」を観光資源として盛り上げていこう、と取り組んでいます。

（倉林）私たちも宿泊施設としての強みを活かして、サウナ初心者のお客さまも安心して楽しんでいただけるコンテンツをご用意しています。

アウトドアサウナというと、はじめての方にとってはハードルが高く感じます。
MATKAは温泉旅館に併設しているアウトドアサウナということもあり、宿泊予約の有無に関わらず、サウナをご利用の方はホテル内の温泉もご利用いただけたり、宿泊の方はそのままお部屋でお休みいただくこともできます。
こういったことができるのは、ホテルならではですし、お客さまにとっても気軽にサウナを体験していただくきっかけになるのではないでしょうか。

地元の食材をふんだんに使ったサ飯も楽しめる

ーサウナだけでなく、温泉などホテル内の施設も利用できるんですね。

（倉林）はい、温泉や宿泊だけでなく、ホテルのバーやレストランでのお食事もお楽しみいただけます。
今回サウナ事業を始めるにあたって、サウナをご利用の方にぜひ召し上がっていただきたいお食事やサウナドリンクを企画しました。

「サウナでととのった後はしっかり食べたい」という方には、「信玄鶏挽き肉と玉葱の八王子ラーメン」や「富士桜ポークカレー」など、地元の野菜や食材を使った食べ応えのあるメニューがおすすめです。

サウナ好きの方にはおなじみの「オロポ」をはじめとしたドリンクも充実しています。プールサイドの落ち着いたカフェ＆バーでぜひゆったりとお楽しみください。

ホテルふじでは、季節の味を堪能できる総料理長こだわりの創作料理が楽しめるバイキングがとても人気なのですが、ディナーバイキングとサウナのセットプランもご用意しています。

サウナを楽しんだ後は、山梨の食の魅力も存分に味わっていただきたいです。

 

「旅」という意味を持つ施設名に込めた想い

ー施設やエリアの名称がとてもユニークですが、名前の由来について教えてください。

（野中）MATKAはフィンランド語で「旅」を意味します。
山梨への「旅」、サウナで日常とはまたちがった体験への「旅」、お客さまに山梨県の空気、水、太陽を感じながらサウナや旅そのものを楽しんでいただきたい、という想いで「MATKA」と名付けました。

今回、4か所のエリア名称を決めるにあたって、ホテルふじの全社員から名称を募集したのですが、山梨ということもあり「風林火山」はどうかという意見が多かったんです。
豊かな自然を連想させる言葉でもあり、コンセプトやそれぞれのエリアの雰囲気との親和性もあって、フィンランド語で「Tuuli（風）」「Metsikkö（林）」「Liekki（火）」「Vuori（山）」に決めました。

ー今後サウナ業界に期待することはありますか。

（倉林）サウナブームということもあって、サウナの認知度は上がりつつも、最初の一歩が踏み出せないという方がすごく多いと思うんです。
仲のいいお友達や家族の中に、サウナに詳しい方がいれば入りやすかったりするんですけど、そうじゃないと、なかなかまだ挑戦しにくい印象なので、もっと気負わず、簡単に行けるようになるといいなと思ってます。

MATKAがその踏み出すきっかけや行きやすい場所になれるとうれしいですね。

 

ー今後の取り組みについて予定していることはありますか

（野中）新しい事業ということもあるので、まずは来ていただいたお客様に喜んでいただける接客を心がけています。その上でお客様のご意見や声をいただきながら、石和温泉に新しい風を吹かせられるようにアップデートしていきたいと考えています。

（倉林）ホテルふじの「三世代にご利用いただける温泉リゾート」というコンセプトをMATKAでも体感いただけるような、ホテルふじとサウナのかけ合わせをしながら、相乗効果になるような新しい取り組みをどんどんやっていきたいです。

 

今回サウナ事業を始めるにあたって、サウナに関わるすべてのスタッフが「サウナスパ健康アドバイザー」の資格を取得したという。高いホスピタリティやサービスはもちろんのこと、何よりも「お客さまに安心してサウナを楽しんでもらいたい」という熱い想いがうかがえる。

サウナに興味はあるけどなかなか重い腰が上がらないという方こそ、ぜひサウナへの固定概念を捨ててMATKAに行ってみてほしい。
山梨の雄大な自然と、素敵なスタッフがあなたをあたたかく迎えてくれるだろう。