ONE SAUNAの発信地である宮崎は、自然の恩恵を受けた豊かな資材の宝庫。特にスギの素材生産量は、国内の約15%のシェア(2015年)を占め、全国1位を誇っている。
「みやざきスギ」は、たくさんの日光を浴びて育つため、油分を多く含んで水を弾き易い。弾力性に富んで加工しやすいことから建築材や生活材として利用されている。
ONE SAUNAは純国産バレルサウナを産み出すにあたって、この「みやざきスギ」に着目。熟練の技術を培っている地域の加工生産者たちと手を携え、行政をも巻き込みながらプロジェクトを始動させた。
ONE SAUNAの加工製造を牽引する(株)川上木材 川上宰氏、林業行政の立場からサポートする宮崎県環境森林部 梶原和徳氏、そしてONE SAUNA代表 揚松晴也氏。プロジェクトのキーパーソンたちに純国産バレルサウナへの想いを語ってもらった。

 

川上宰:宮崎の豊富な杉を中心に建築用木材の販売、加工を手がける(株)川上木材の代表取締役。「木のもつ可能性を拡げる」というビジョンの実現に向けて、常識にとらわれない発想で事業を展開する。

梶原和徳:宮崎県環境森林部山村・木材振興課 みやざきスギ活用推進室 副主幹。木材利用拡大のプロジェクトを担当。軽快なフットワークと柔軟な発想を活かして「みやざきスギ」の発信に取り組んでいる。

揚松晴也:(株)Libertyship 代表取締役。WEB/ECサイトのプロジェクトマネジメント事業やコミュニティマネジメント事業を展開。サウナ愛が高じてONE SAUNAの企画運営を手がける。

  

川上さんと梶原さんがONE SAUNAに関わることになったのはどんな経緯だったのでしょうか?

揚松:サウナを作るのにまずご相談をさせていただいたのが川上社長です。青島ビーチパークなどのプロジェクトに関わっていた方を通じて御紹介頂きました。最初は粗い設計図のようなものをお持ちして、サウナを作りたいという熱意を伝えさせていただいたんです。

川上:あの縮尺がおかしなやつをね(笑)でも一目見て、そこに置いてあるだけでかっこいいじゃん!おもしろそう!と思いました。

梶原:秘密基地みたいでなんだかワクワクしましたよね。僕の仕事は、宮崎の林業の中でも最も有力な商品であるスギをどうやって利用するかということ。人口が減少して建材としての用途が徐々に減少するなか、如何にスギを活用していくかいう命題が与えられています。サウナっていうのは楽しいことの延長線上にあるので、住宅建材とは違う新たな用途としての可能性を感じました。だから行政の立場で支援できるじゃないかなと思って参加させてもらったんです。

スギの活用は林業そのものと関わりが深いそうですね。

梶原:杉山というのは人工林、人の手が加わった山なんです。人工林ってペットと一緒で、一度人が手をつけた山は、ずっと手入れをしないといけない。スギは密に植えてから間引きして大きくします。そうしないと根の張り方が悪くなるので、土砂崩れを起こすような荒んだ山になってしまいます。宮崎のスギが生産量日本一ということは、杉山がそれだけ多いということです。スギを使ってもらわないと山が山として継続できないという実情があるんですね。

 

私たちの暮らしにも切実な影響があるんですね。一般的にサウナにスギを使うことはあるんですか?

揚松:あまり見ないですよね。海外でもシダーなどでつくることが多いし。でもみやざきスギは弁甲材といって船の材料として使われていたものもあります。粘りがあって、柔らかくて油分も多い。それなりのハードな環境にも耐えられるので、サウナとして利用できるのではないかと考えました。

川上:スギそのものが日本の固有種ですから、海外には無いんですよね。学名もクリプトメリア・ジャポニカと名付けられています。だからスギをつかうことでオリジナルの国産サウナになるんです。最初は話をもらったときにはうちだけでは実現は難儀しそうだなと感じましたが、問題を解決できる仲間がたくさんいます。皆に声を掛ければきっと形に出来るだろうと思いましたね。

揚松:私はWEB関係の仕事をしていて、今までモノをつくるという機会は多くありませんでした。今回、川上社長や梶原さんを中心にチームを作っていただいて、その輪が拡がっていくという初めての体験をしました。そのおかげで構想からたった半年ぐらいで商品化、納品まで出来たわけです。スギでバレルサウナをつくるというのは新しい分野なのでまだまだ調整が必要ですが、それも含めてトライアルなんだと感じています。

川上:最初に私に声をかけていただいて、設計をする人、木材の加工製材をする人、建具屋さん、そして林業に関わる行政の方にも参加してもらいました。言わば業界の団体戦みたいなチームが組めたことは私にとって大きかったですね。

いろいろな人の手によってひとつのバトンが繋がっていくイメージですね。でも最後はユーザーが自ら組み立てて仕上げるのがONE SAUNAのユニークなところだと思います。どうしてセルフビルドという仕様になったのでしょうか?

揚松:やはり自分でつくったものなら愛着が沸くし、長く使い続けようと考えてもらえますよね。そして自分の手でつくったサウナに入ってもらいたいという気持ちで、人が人を呼んでいくような場所づくりが始まります。私たちはサウナを介して人が集まるコミニティをつくりたいと考えているんです。バレルサウナをつくっているのですが、それは単純にサウナを販売したいというわけではないんですね。

川上:ちゃんとストーリーと一緒にユーザーのところに届けるというのが素晴らしいですね。モノを売る時代は終わって、コトを売る時代なんだと思います。

梶原:今までの木材の販売戦略って「宮崎のスギを使ってください」っていうモノ売りだったんですね。そうではなくて、スギに携わる地域・文化・人が携わっているという物語のもとに選ばれる産地を目指すかたちを思い描いているところです。そうした取り組みがONE SAUNAを通して現実になるんじゃないかと期待しています。

揚松:そうですね。単にバレルサウナを知ってもらうということではなくて、その背景にある社会的課題であるとか、ストーリーだったりを僕らはしっかりと紡いで世の中に伝えていくことが大切だと思います。その結果として木材振興につながっていくことがができれば本当にいいですね。

 

みやざきスギ活用推進室
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/miyazaki-sugi

株式会社川上木材
http://www.kawakami-mokuzai.jp

株式会社Libertyship
https://libertyship.jp

国産バレルサウナ「ONE SAUNA」
https://onesauna.jp